飾り籐の作り方
高校のころ、代々(各学年に)矢摺り籐担当者がいて、自分は担当ではなかったのですが、その担当の同級生から作り方を教えてもらったという話を紹介しました。(【弓道】矢摺籐の交換 失敗も含めて)
その担当者は飾り籐の作り方も知っていたので、教えてもらっていました。
今回まとめて作ってみましたので、作り方も含めて紹介です。
飾り籐の種類
今回、自分で、3種類の飾り籐を作りました。
仮にタイプ1、タイプ2、タイプ3としました。
正式名称はわかりません。
タイプ1
タイプ1は、上下から丸まって中央に丸があるタイプ
鷲掴み、という名前や星巻、という名前で見かけました。
よく見かけますね
これの中央に丸をつくらないタイプもありますね。
タイプ2
タイプ2は、横に1本籐があって丸が中央にあるタイプ
これを星巻と記載しているサイトもありました。月輪巻と記載しているところもありました。
タイプ3
タイプ3は交差するデザインですね。「猪の目透し」という名称や単に「交差」と書いてあるものも見かけます。
それぞれの作り方
タイプ1
160cmで作り始めました
籐の長さは160cmで作り始めましたが、実際には140cmくらいを使ったと思います。籐の幅などで実際には変わると思います。
真ん中から折り曲げてスタート
これは、真ん中から作り始めます。
中央で、籐を少し折り曲げて、弓を1周巻いてその折り曲げたところに籐を通します。
背面を通して、上から下に通す
折り曲げたところを通して上の方で背面を通して1周巻いて、反対側は上から下に通します。
同様に背面を通して下から上に通す
同様に、背面を真っ直ぐ巻いて、折り曲げたところを通して、下から上に巻きます。
同じ作業を繰り返して、飾り籐の幅になるまで続ける
同じ作業を繰り返していきます
飾り籐に十分な幅になるまで続けます
幅が十分になったら、前面で丸を作っていきます
飾り籐に十分な幅になったら、今度は、真ん中で籐を通した後、背面に回さずに反対側の籐に沿って前面で1周回します。
2枚目の写真の場所に差し込みます。ここからグルグルと前面で巻いていきます。
巻くのを繰り返していくと、中央に丸ができていきます。
丸の部分が十分になったら、籐を切ります。
丸の部分が十分になったら籐を切ります。かくれるところで切ると目立ちません。
こちらのタイプは、インスタグラムやYoutubeで作り方が紹介されていますね。
インスタグラムVerがとても上手です。私はボンドを上からあとで塗るんですが、そちらは、完成前に籐の裏側に少しつけておられ、きれいに完成しています。
今回私は緩めに作ってしまい、ちょっと完成度はイマイチです。
話題がそれますが、籐を削るための指カバーの作成
タイプ2、タイプ3は、籐の先端を細く加工します。矢摺り籐のスタートと同じです。
何回も籐を巻いているうちに、籐を細くするには、やっぱり職人技を真似するのが一番やりやすいことに気がつきました。
【職人技】矢摺籐の巻き方!
籐を削るための指カバーを握り皮のあまりで作る
握り皮のあまりにゴムを通して手芸の指ぬきみたいに、指カバーを作りました。
一部握り皮が特殊な余り方をしていますが、これは私が牛革の握り皮を裏面で貼っているから、こんな形に余ります。
牛革の握り皮のあまりを使って、二枚重ねにしてゴムを通して、指カバーを作りました。
籐の長さは170cmで作り始めました
タイプ2はこれくらいで丁度よかったです。
籐を上から巻いていくので、先端を細く加工する
飾り籐の幅の半分まで通常に巻いていきます。
前半はシンプルに巻いていきます。
半分まで来たら、折り返して1周させて、その折り返し部分に籐を通します。
半分まできたら、円板状パーツを作り始める起点となる折り返しをつくります。
その場所を中心として巻き続けて円盤状のパーツを作っていきます。
交点を中心に籐を巻いていきます。
ずっと巻き続けると、円板状になっていきます。
巻き続けて十分な大きさになったら、その円板状のパーツの下を通して後半の籐を巻いていきます。
最後下向きのところで終了して、籐を円板状パーツの下を通します。ヘラがあると楽です。
下半分の籐を巻いていきます。
残り半分の籐を、円板状のパーツの下を通して巻いていきます。
だいぶ出来てきました。
巻けたら、また端を細く処理をして留めて完成です。
先端を細く削って、留めます。
このタイプは、私はこのように作っていますが、おそらく何通りか作り方があるようです。
籐を2本使って、円盤状の部分だけ後から作ったりすることも可能だと思います。
あくまで1例です。
タイプ3
このタイプはかなりシンプルですね。
私は5回交差させていますが、ちょっと多かったですね。
だいたい3-4回が多いでしょうか。
長さは150cmで
このタイプはあまり長さが必要ないので、150cmでも大丈夫でした。正味は140cmくらいのような気がします。
タイプ2と同じように、先を細くして普通に巻き始めます。
数周巻いた後に、重ねる回数の籐の幅だけあけて、斜め下に籐を巻きます。
この時開けすぎてもあとで締められるので、少し余裕があっても問題ないです。
その高さで背面を通して、表にきたら今度は斜め上に巻いていきます。
背面で上の籐にあわせて巻いて、表に来たらまた斜め下に巻きます。
これを繰り返していきます。
あけた幅の分、籐を巻ききったら、下に来た時点で交差は終了で、残りを通常に巻きます。
端の処理をして留めます。
表の形を整えたいので、背面をテープで固定します。
この状態で、表面の交差の隙間がきれいになるように整えます。
あとはボンドを塗って乾くのをまって完成です。
飾り籐ではないけど切詰籐の細工
切詰籐を、タイプ3の交差タイプの要領で、何重にも重ねるのではなくて、1回ずつ交差させて巻いていくと、このように仕上がります。切り詰め籐でこの細工をしているのをよく見かけますね。
以上、飾り籐の作り方でした。
同じような形でも、作り方は一通りではないと思われます。
あくまでひとつの例として、参考としていただけたら幸いです。
動画も作成しました。
もしよろしければご覧ください。
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こちらの飾り籐は470cm入っていました。