握りの作り方(握り皮の貼り替え)

先日、中仕掛けの作り方を公開しましたが、あれは師範から教わった自分が目からウロコだったという経緯があって、紹介したいと思って公開しました。

今回は、握り皮の作り方の話です。これは、特殊なものではなくて、習いのごとく、と言われるように、最初に教わったものから、工夫を加えて自分なりの方法になっています。これが正解というのものでは無いのでその点はご了承ください。動画も作ったので参考にしていただければ幸いです。

握り皮の張り替え

例によって自宅巻藁場(玄関)で作業をします。
弦を張った状態で作る方もいるようですが、私は弦は外して作ります。

今回使う道具です。

握り皮を外す

 

まずは、もともとの握り皮を外します。
皮を外すと、私の場合は和紙を貼っているので、それが見えます。
さらに、外すと中のあんこがでてきます。私はハガキで作る派です。

それらをいったん外してきれいにします。皮だけ付け替えるときは、外さないときもありますが、なんとなく、皮をはがす過程であんこが浮き上がって皮を張った後にあんこが動くようになってしまうことがあるので、どちらかというと、全部外して作り直すことが多いです。

もともとの皮やあんこを外してまっさらな状態にします。

私は竹弓なので、あんこを外すと、弓によっては弓を打った(作った)日付が入っていることもあります。

個人的には、カッターナイフの裏側で、ボンドとかを削り落としています。刃の方を使うときは、弓自体を削ってしまうことがあるので、慎重に削ってください。

あんこを作ります。

あんこの作成は今回のではなく、以前のものです。


あんこの素材は、好みで良いと思います。市販のゴムのものや、革製のものを使われる方もおられます。私は、ハガキで作る派です。ハガキを、弓の幅に合わせて、ボンドで貼り付けて行きます。
1日ほど置いて、乾いたら、削って成形していきます。
段差ができないように、幅を弓に合わせて、きれいに成型します。一度その弓用につくるとずっと使えます、新しい弓には、削って流用もできますが、新しく作っていることが多いです。

あんこを当てます。

内竹側に当てます。ボンドで固定します。段差ができないように意識して貼っています。
私は昔は、薄くですが、外竹側とか、両サイドとかにあんこを入れていたことがあるのですが、そこに関しては師範に不要と言われてからは、基本的に入れていません。よっぽど細い弓以外は入れません。天文線の場所は、弓の力を直に受けるところだと思うので、そこの角はあまり余計なものが介在しないようにしたいと思っています。弓返りにも影響するので、そこが角になっている方が引きやすいので、丸くなりすぎないように意識します。

和紙を巻きます。

あんこの上に直に皮をまくと、どうしても段差がきつく感じることがあるので、私は、和紙を巻くようにしています。これは好みですので必須ではありません。
大体一周半から二周くらい巻いています。巻きすぎるとか逆に角が取れすぎてしまうので、それくらいまでにしています。
天文線のあたる外竹の左側に角をキープしたいので、そこから巻き始める(またはそこで終わる)ようにしています。
最近の、速乾の木工用ボンドは、結構すぐ乾くので、和紙を巻いた後、比較的すぐに皮を巻き始められます。あまりボンドを厚く塗ると乾きません。

皮のサイズを決めます

  

皮の巻き始めは、内竹の一番上から巻き始めます。これは、虎口(親指の付け根)が当たるところに、皮のつなぎ目が来ないようにするためです。
巻き始めのところから、いったん巻いていきます。実際に貼るときは重ねませんが、すきまが開かないようにするために、1mm重ねて仮巻しています。
あんこが切れるところまで、巻ききったら印をつけます。少し、長めに重なる位置で印をしますが、短いとアンコがはみ出て不細工になるので、短くならないようにします。また、後半で紹介する私の巻き方だと、つなぎ目が開かないように少し皮を圧迫して巻くので、その意味でも少し長めに印をつけています。

次に、印を結んで線を引いて、切ります。印は2か所で十分で、そこを定規で結んで線を引いて切るだけであっさりできます

皮にボンドを塗ります。

木工用ボンドを塗っていきます。コツは、厚すぎない事と、端から1mmは塗らない事です。これは、表側にボンドがはみでると、そこが色が変わったり皮が硬くなったりして不細工になるので、はみ出し防止です。逆に、1mmまではしっかり塗っておかないと、剥がれてしまうので、そこまではしっかり塗ります。塗るのはハガキや、紙、切った皮とかを使っています。端っこだけは、1mm開けず、剥がれないように全部塗ります。

実際に皮を貼っていきます。

この時のコツは、隙間をあけないこと、重ねない事です。
先述したように、虎口(親指の付け根)が当たるところに継ぎ目が来ないようにするため、内竹の一番上から、右方向へ巻いていきます。
まず、端をあてて、皮と皮が接するようになったら、皮は重ねず、少し下から上に少し押し付けて、隙間が開かないようにして貼っていきます。ボンドを触ると、汚く仕上がるので、ボンドを触らないように気を付けます。弓を回していき、上に押し付けながら、巻き続けます。

少し皮を押さえつけながら、重ねた1mm分を縮めて中に押し込むようなイメージで貼っています。そうすると、後で皮と皮の間が開いたりしてきません。皮によって、押さえるとすごく伸びるものや、あまり伸びないものもあって、予定より短めになったり、長めになったりすることがあります。

へらがあれば、へらを使ってつなぎ目を押さえてきれいにしていきますが、この方法はあまりへらを使わなくてもきれいに巻けます。

下まで巻いて、端っこはボンドが足りなければ足します。端っこがボンドが足りないと、剥がれやすくなってしまいます。
長めにしてしまったときは、ここで、カットします。長すぎたからといって、そのまま貼るのは不細工なので、長くなってしまったら、ちゃんと切ります。長すぎる握り皮は、高段になれば、減点対象になるので、適正な長さにしましょう。

出来上がりました。

 

 

きれいに張り替えられる一例として参考にしていただけたら幸いです。
握り皮は、個人の工夫が生かせるところなので、皮の種類や、あんこの量とか、いろいろ試してみて頂くのが良いと思います。私も30年引いていますが、いろいろと工夫して今の方法に落ち着いています。皮の種類は今でも、いろいろ悩んでいます。

ただ、いつだったか、弓具店で「握り皮張り替えてください」と来られた方と一緒になったことがありましたが、初心者であっても、握り皮は、是非、自分で変えてみていただけたらと思います。

【弓道】握りの作り方(握り皮の貼り替え)


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