自分で矢摺籐の交換をすることがあります
あまり頻度は高くないのですが、矢摺籐の交換をすることがあります。
握り皮や、中仕掛けの動画に映っている弓の矢摺籐は自分で交換したものです。
一昨年くらいに一度古くなったにべ弓の籐の交換をしました。今回は別の普通の竹弓の籐が汚くなっていたので交換することにしました。一番右の弓です(後の2張はもともとの弓具店からのものです)。
矢摺籐は傷んだら交換を
中高生の講習会の講師をすることがあるのですが、結構痛んだままの矢摺り籐で引いている人がいます。危険ですので、是非交換をお勧めします。
私が高校生の頃は、代々矢摺籐交換係が学年に一人いて、その人だけが技術を引き継いで、部全体の籐の交換係をしていました(そんなに頻回でもないので、そういう伝達でいけていたようです)。その時、その友人に教えてもらって、自分もある程度交換できるようになっていました。その後も、大学に行ったりしてからも、ときどき自分で交換していました。
弓具店に気軽に行ける人は、弓具店に頼まれたら良いと思いますが、当時高校生の自分達でもできていたので、最近はネットで籐が気軽に買えるので、気軽に弓具店に行けない人は、挑戦してみてはいかがでしょう。
交換作業の参考になる動画
矢摺籐の交換については、Youtubeでも動画がアップされており、非常に参考になります。
また、今回も苦労しましたが、初めと最後の籐の削りが難しいです。
こちらに紹介があります。
まさに妙技でこんなに簡単にはできません。
また、先代の社長の動画もアップされています。
猪飼弓具による「籐の作り方」
実際の籐の交換 まず一晩水に浸ける
籐です
まず、水に浸けます。これは巻いている時に割れるのを防止できます。参考動画では30分くらいとなっていますが、私が高校時代は一晩浸けていたので、私は一晩浸けています。
今回一晩浸けていても、途中で割れたので、やはり初心者はしっかり水に浸けるのがやりやすいと思います。
弓具店さんでは水に浸けずに巻いていることもありますね。
一晩つけた籐を出します。このとき今回少し拭きすぎたかもしれません。
元々の籐を外す
古い籐を外します。
籐を外すと中に弓師さんが書いた字が見れることがあります。
籐の根元側の加工
籐の根元側の巻き始めの処理をします。
参考動画のようにシャッシャッと削れれば良いのですが、これは熟練なので、こんなに簡単にはできません。
地道に削りました。
自分なりの工夫は、重ねシロがあると巻きやすいのと、最後細くした籐の部分も、しっかり面取りすると美しくなるので、面取りするようにしています。
ボンドをつけて、最初少し重ねて巻き始めます
実際に巻き始めます。これも慣れていないと参考動画のようにサクサクとはいきません。
最初ボンドを付けておきます。
重ねるのがちょっと難しくて巻きはじめが結構うまくいきません。
巻きはじめれれば、あとから位置をずらせるので、位置を合わせます。
隙間が開かないようにしっかり引っ張って巻いていく
隙間がないように巻いていきます。
高校時代からの経験ですが、結構しっかり強く引っ張って巻いていかないと、隙間ができやすいです。
途中何回かボンドを足します。無くてもできますが、巻いて乾いた後にボンドで固定していないと、素人が巻いた籐はズレやすいので、私はつける方が好きです。
握り皮と違い、表にはみ出ても乾けば透明になるので、気にせず巻いていきます。
複数の自分の弓の矢摺籐の高さを統一しておけば、狙いに影響が出にくいです。
ちなみに矢摺藤は6cm以上という競技規則があります。
今回は途中で籐が割れてしまう ギリギリ行けそうなのでそのまま仕上げに
他の弓と同じ高さ予定の位置まで巻いていく予定でしたが…
なんと、ここで、籐が割れてしまいました。
自分の他の弓と矢摺藤の高さを比べてみます。
ぎりぎり許容範囲です。
ここで仕上げることにします。
テープで止めて仕上げの籐の加工
参考動画にあるように、先端をかなり細くした方が良いと思うのですが、矢摺り籐の高さが変わってしまうので、削りシロが無くなってしまったので、最後のところだけ短めで処理をして終えることにしました。
手を離すとせっかく巻いた籐が緩んでしまうので、テープで固定します。
先を細くします。参考動画では、かなりの長さ(30cmくらい?)をものすごく高速できれいに処理されていますが、私にはそんな技術はありません。ちまちま削りました。
以外にうまく削れたので、仕上げに籐を、一周前の籐に挟んで押し込みます。
きれいにできたのですが、ここで固定してテープを貼れば良かったのですが、気を抜いたら抜けました。
さらにもう一度押し込んだら、籐が割れました。
うまくいかずやり直し
間に押し込むのが難しくなって、また削ったら短くなって、と悪循環で、失敗しました。
矢摺籐の高さを低くしたくなかったので、内竹側に終点が来ますが、もう一度削りなおしました。
挟むと挟んだ場所が盛り上がるので、重なる部分の籐をもっと薄くする方がきれいに仕上がりそうでした。
参考動画のようにするのが良さそうです。今回は割れて削りシロがなくなったんで苦肉の策で、あまり上手ではありません。
というわけで、一応完成
最後はボンドを多目に塗って固定
ボンドは乾燥すると透明になって目立たなくなるのですが、ちょっと厚く塗りすぎでした。近くで見ると、乾いたボンドがわかります。
やっぱり重なるところが格好悪いですね。
次のときは気を付けたいです。
あまりうまくいってないので参考にならないかもしれませんが、矢摺り籐の交換でした。
春頃に別の弓の籐を巻く予定なので、それがうまくいけばまたアップします。
ちなみに、これは自分で交換した矢摺籐で、握り皮の記事で出てくる写真です。
(たまたま握り皮の色が似ていますが、今回のとは別の弓です)
今回のよりはうまく巻けています。
2020年12月12日追記
別の弓に矢摺籐を巻いた記事を書きました。
動画も作ってみました。もしよければご覧ください。