自宅巻藁場物語⑨ 弓の強さを量る機械の取り付け

自宅巻藁場に関するシリーズをいろいろ書いてきましたが、ネタ的にはこれが最後くらいです。

弓の強さを量る機械を取り付けましたので、その紹介です。最後に動画もあります。

弓の強さを知る 本弭の弦を押さえて強さを量る

弓道において、自分の引いている弓の強さを知ることは重要です。

みなさんは、どのようにして弓の強さを把握しておられますか。

私が師範から教わったのは、本弭の弦を押さえて量る方法です。弦の抵抗を感じて弓の強さを知ります。師範は、それだけで大体のキロ数も言い当てておられました。
私はそこまではできませんが、まずはそこを押さえて強さを把握するようにしています。例えば2張あって、どちらが強いか比較する場合などは比較的簡単にできます。
結構、通な感じがしますので、お勧めです。
 

でも実際の弓のkg数を知りたくなります

 
ただ、やはり実際の弓のkg数を知りたくなることもあります。わたしは、まだにべ弓に使い慣れていない時、どれくらい気温で違ってくるかを分かっておらず、ねらいに苦労していました。そんな関係で、今回紹介するスケールを使った弓の強さの測定法を紹介します。
 

サンワダイレクトの荷物はかり

 
私が目をつけたのは、サンワダイレクトの荷物はかりです。
旅行グッズなんですが、スーツケースなんかが重量超過にならないように量るのが目的です。

これが便利なのは、ホールド機能があることです。

かばんなどをぶら下げて、重量が一定すると「ピー」と音が鳴って、測定値が固定され、それを見ることができます。
これだと、実際に弦にひっかけて、強さが量れるのではないかと考えました。

ちなみに、No.1とあるのは、このスケールを2台持っているからです。

 

 

 

自宅巻藁場で固定で弓の強さを量れるようにする スケールの固定

 
引きながら計量する方法はひとまずおいておいて、まずは、巻藁場で固定で量れるように設定します。

これ用に買ってきたのは、このあたり。

 
ステンレスJ型フックとあります。
耐荷重10kgとあります。二つあわせれば20kgは耐えられそうという判断です(これを作った時は18kgを引いていました)
 

こちらを、巻藁場の壁に取り付けます。

ホールドが安定しないので、スケールの目盛を見れる工夫

 
そして、困っていたのが弓を引いた状態でのホールド機能の不安定さです。すこしでもプルプルしているとホールドされないので、ホールドを待つのは大変です。ずっとホールドされないと時間切れで自動offになります。そこで、鏡を取り付けて、目盛を下からみれるようにすることにしました。

また、普通に鏡に映すと、逆に見えるので、1度鏡に映したものを、もう一度鏡に映して、下からは逆像にならない工夫を考えました。

100均で手鏡を3個買ってきました。
3面鏡になっているものに、別の鏡を貼り付けています。3面鏡の反対側は外しています。

長方形の2面の鏡があれば済んだんですが無かったのと、長方形の方の鏡は、特定の角度でのキープが難しかったので3面鏡の方のヒンジを利用することにしました。

 

次に固定なんですが、これもいろいろ考えました。

結論的には、まず木片を斜めにカットします。

そこにダボ穴を開けています。

そして、前から欲しかった「ダボマーカー」を今回買いました。木工のDIYをしていると、このダボマーカーがあったら良いのに、という場面は実は結構あるので、この機会に買いました。

ダボマーカーを取り付けて、取り付けたいとことに押し当てます。

そうすると、穴があくので、そこを目印にダボ穴を開けます。木片の方にダボをボンドで固定し、壁側は少しスムーズに入るようにでも緩すぎないように削っています。

鏡と木片の固定は、粗面用の両面テープを使いました。

これで、下からスケールの目盛がみれるようになりました。スケールの目盛がLEDで明るいのも重要な点です。

引き尺を量れる棒の作成

弓の強さを量る場合、引き尺によって強さは変わってしまいます。自分の矢尺での強さが何kgか、ということが重要になってきます。
これの工夫もいろいろ考えたのですが、棒に筈をとりつけて、目盛を付けることにしました。

弦のひっかけ棒を作った時に買っていた180cmの丸棒がありましたので、それを110cmにカットして、作ることにしました。丸棒は規格が90cmが普通で、110cmが欲しいときは180cmを買うしかないのですが、もともとあったので良かったです。

丸棒にてっぺんに穴をあけて、筈が入るようにルーターで削って微調整します。そして、筈を取り付けます。

あとは自分の矢尺のに赤い印をつけて、他は適宜分かりやすいところに印をつけました。

実際の測定

 
さて、いろいろ準備はできたので、実際に量ります。

引き尺測定用の棒を番えて、弓の強さを量ります。

私の弓は20kgクラスなので、結構大変です。この際、弦は合成の弦を使います。

矢尺まで引き絞って、スケールの目盛をみます。ホールド機能には期待せず、実際の鏡に映っている目盛をみて、強さが分かれば、戻します。

ホールド機能があれば、一人で量れると思っていましたが、実際は難しく、通常は誰かに目盛をみてもらわないと量れないので、それを、自分で見れる工夫したのがこの方法です。

他の人に参考になるかわかりませんが、こんな方法で一人で強さを量っています。

 

あまり引き尺で量るのはよくないので、普段は別の方法も

にべ弓を使っていて、あまりめいっぱい引き絞るのは弓によくなく、矢尺以上に引くのもかなり良くないです。

そこで、私が別の方法で量っているのが、写真の方法です。

こちらも一定の引き尺で量れる棒を使って、スケールを手にもって引き絞ります。弓自体はめいっぱい引かれているわけでは無いので、短い矢尺で素引きを繰り返されているだけになるので、にべ弓でも安心です。

この方法は、頑張ってこの状態をキープすればホールドします。ただ、4,5秒キープが必要です。この方法はどこでも自分一人で量れるのは便利です。試合場でも量れます。

この写真のひき尺で20kgの弓で、12kgとか、というくらいの数値になります。この数値を記録しておいて、気温などによってどう変わるか記録しています。2シーズンほどこれをして、だいたい気温と弓力の関係はわかってきたので、昔ほど頻繁には量っていません。

試合で、この数値を参考に筈の番える位置を微調整してうまくいったこともあるので、にべ弓の弓力の変化を数値的に把握するには良かったです。本当は実際に引いた感覚でその差を感じ取れるくらいの感性があった方が良いのだと思いますが、そこまでの精度はないので、いろいろ考えた工夫です。
 

にべ弓をを使う理由

弓の強さで季節を感じる、そういったところがいかにも日本的で、弓道の魅力だと感じています。

変化が大きいにべ弓をそこまでして使いたいと思うか、というところですが、私は、やはり良い弓の引き味、離れの気持ち良さは特別だと思っています。真に良い射が引けたときだけ、良い弦音、矢飛びが出ると感じていて、まさに弓が先生だと思っています。なので、いろいろ難しくても使い続けています。

自宅巻藁場物語① 設計編
自宅巻藁場物語② DIY編
自宅巻藁場物語③ ついに完成
自宅巻藁場物語④ 巻藁台の扉編
自宅巻藁場物語⑤ 弓置き場の扉編
自宅巻藁場物語⑥ 巻藁に的の写真を貼り付ける
自宅巻藁場物語⑦ 弓座を取り付ける
自宅巻藁場物語⑧弓立て、弦かけ、弦ひっかけ棒
自宅巻藁場物語⑨ 弓の強さを量る機械の取り付け

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