冬場の和服の審査や講習会
弓道の射場は、的側が屋外に解放されているので外気が入り込み、冬はかなり冷え込みます。
また、称号者の審査や講習会は、和服が基本で、肌脱ぎをしますので、とても寒いです。
以前は、審査や講習会では、寒くても下に服を着こむのがあまり良しとされない雰囲気がありましたが、全日本弓道連盟から平成29年12月に、「冬季間の行事における寒冷対策について」という文書が出され、「急性心筋梗塞」「脳出血」「脳梗塞」の予防のため、11月から3月の間は和服の下に「筒袖」を着ることが推奨されるようになりましたので、講習会などでも和服の下に筒袖を着やすくなりました。
今回は、まだそれが一般的になる前に、なんとか寒さ対策しようと努力した話です。
和服の下に着る「筒袖」
筒袖でなく道着でも良いのですが「筒袖」の方が和装としては良いそうです。
ちなみに、「白い筒袖」は「紋付きの着物」用で、「紋付きでない着物」は「色ものの筒袖」が良いそうです。
先月地区の講習会があって、筒袖を下に着るほどでもないけど結構寒いので、久しぶりにその時の作品を使ったので、ご紹介です。
大阪府弓道連盟
(お知らせの7項目目 寒冷対策について)
錬士をとってすぐの頃の冬の講習会でとってもつらい思いをして…
錬士になると、県の弓道連盟の称号者研修会に参加できるようになり、高名な先生の指導を受けることができるようになります。私の県では毎年2月に行われます。とても楽しみにしていたのですが、初めての講習会で、何も対策していなかったので(普通に袴下に防寒インナーは履いていましたが)、とにかく寒くて、つらかった講習会でした。当時は、良いのか悪いのか襦袢も普通の着物のものなで、肌触りがとても冷たかったです。
なんとかしたい、と考えて行きついたのがこれでした。
(まだ三つがけのころの写真です。このころは寒くても筒袖を着ていませんでした。)
和服用のインナーを切って肌脱ぎをできるようにする
和服用のインナーはいろいろあるんですが、問題は弓道では肌脱ぎがあることです。
普通のVネックのヒートテックとかでは肌脱ぎができないので、肌脱ぎができる防寒インナーが必要です。
そこで、こちらを購入しました。今思うと結構高いですね(買った当時より1000円くらい上がっています)。
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ただ、いくら着物の形状と言っても、筒袖なので、このままでは袖さばきができません。袖の中に腕を持ってくることができません。
なので、そこを切ります。
まず、服の左側面を切ります。そして、袖も邪魔になるので切りました。
これで、袖さばきができるようになりました。
実際に肌脱ぎ、肌入れをしてみて、見えないか繰り返し確認しましたが、大丈夫でした。
というわけで、防寒対策で和服用の綿の肌着を切って自作した話でした。
最近は筒袖を着て良いことになったので、あまり活躍する機会がなくなりましたが、11月の寒い日の講習会ではちょうど良かったです。
冬でも活躍「ブッチャー生地の襦袢」
さて、その他の対策ですが、過去何度も登場する「ブッチャー生地の襦袢」ですが、これがなかなか冬にも良いのです。これは肌触りが冷たくないので、冬場着るのにもお勧めです。生地に厚みがあり空気層があるので、保温性もある感じです。
あると便利な「防寒羽織」
また、講習会の時にあると便利なのが「羽織」です。
講習会では、他の人が立で引いているのを見る時間が結構あります。上座に据って、長時間見学のみ、という時間があったりします。また、他の人が射礼研修しているのを射場内で見学したりすることもあります。そんな時に、洋服のジャンパータイプの上着を着こむとかなり目立ちますが「羽織」だと着ていても目立ちません。錬士の初めての講習会の後、母に頼んで作ってもらいました。
一見普通の大島の羽織ですが、綿を少し入れてもらっています。かなり重宝しています。筒袖着用推奨の通達が出てから、見学も洋服の上着を着るのも雰囲気的に可能になってきましたが(昔は講習会中は洋服上着は着にくかった)、やはり羽織だと目立たず防寒できるので良いです。こういったタイプは、ネットでも購入できるので、若い称号者の方はあまり持っていないと思いますので、お勧めです。
あると便利な「アームウォーマー」
リンクの写真は思いっきり女性ですが(実際に買ったサイトです)、あると便利なのが「アームウォーマー」です。
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羽織を着て、これを装着していればかなり暖かいです。着物の下に隠れるので目立ちません。自分の出番になれば、さっと外して立に入れます。かなりお勧めです。
ちなみにこの商品はちょっとだけチクチクします。まあお値段がお値段なので十分ですが、お肌が弱い方はもう少し良いものの方が良いかもしれません。(すみません、サイトをみるとチクチクしないのが特徴のようです。あくまでちょっとだけ、ということで。)
他には防寒用の足袋など。注意点が1個。
足袋もしっかり防寒しておくと良いです。
足袋の下に5本指靴下タイプのものを履くとか、中敷きをいれるとか、対策をしておくと、講習会中かなり楽になります。
注意点が1個だけあって、第二介添が当たっている時は、中敷きなどを入れて足袋がきつくなっていると、蹲居の時、足が締まってツラいことになります(なった)ので、気を付けましょう。他にも講習会は坐射が多いので、足袋の防寒対策で指がきつくなりすぎないように注意しましょう(笑)。
以上、いろいろ工夫したお話でした。参考になれば幸いです。