巻藁道場付きの家を建てよう!
弓道家だといつかは自分の道場を持ってみたいという夢があるかと思います。道場は難しくても、巻藁は家で練習出来たら、、、なんて思うこともありますね。2012年に家を建てたのですが、その時に、「家の中で巻き藁がひけるようにしたい」というのが密かな目標でした。そこから、設計をいろいろ考えて、自宅巻藁場を作ろうとがんばりました。その経過をご紹介します。第2弾です。
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自宅巻藁場物語① 設計編
自宅巻藁場物語② DIY編
自宅巻藁場物語③ ついに完成
自宅巻藁場物語④ 巻藁台の扉編
自宅巻藁場物語⑤ 弓置き場の扉編
自宅巻藁場物語⑥ 巻藁に的の写真を貼り付ける
自宅巻藁場物語⑦ 弓座を取り付ける
自宅巻藁場物語⑧弓立て、弦かけ、弦ひっかけ棒
自宅巻藁場物語⑨ 弓の強さを量る機械の取り付け
家が完成
かくして、家は完成し、玄関に巻藁が引けるスペースが確保されました。
設計段階でイメージした通りの空間になっています。
話は逸れますが、玄関のコートクローゼットは便利ですね。設計したころの流行りでもありました。ただ、巻藁があるおかげで、ちょっと狭くなってしまいましたが…。土間収納も良い感じです。土間収納へ行く通路を利用して、巻藁を引く、なんとかできそうな気がしてきました。
さて、次は実際に巻藁場として使えるようにしていかないといけません。
移動式巻藁台の構想
物語①で書いたように、土間収納への通路に巻き藁を設置して、玄関から弓を引く設計にしました。巻藁は使用時には通路にせり出してきて引き、使わないときは収納できるような設計を描いていました。
設計の段階で、こんな要望書を工務店に出しています。 これまた工務店の方は、無茶言うなあ、と思われたことと思います。
基本DIYをする方なので、ぼちぼち作っていこうと考えていました。でも、設計段階で工務店にも希望を伝えていたので、なんとかなるかなと思っていました。しかし、実際はなかなか厳しかったのです・・・。
工務店が作ってくれた台
自分で巻藁台をDIYする前の写真がこれしかないのですが、単純にT字型の板があって、タイヤがついている、という設計でした。
さすがに、大工さん仕上げなので、見た目はかなりきれいに仕上がっています。
ただ、実際に使うにはかなり無理が ありました。横へせり出しは来るのですが、そもそも巻き藁が乗ったら、重くて絶対板が滑ってきません。タイヤもこういった全方向に動くタイヤで、移動方向が変わるときに、くるっと回転して、まっすぐ引き出せませんでした。
イメージとはかなりかけ離れていました。また、土間収納とはいえ、まったく防護壁的なのがないので、後ろにいけいけでは心配です。いろいろいじらないといけなさそうでした。
巻藁台をどこまで引き出せれば良いか?自幅以上に伸びるスライドレール?
さて、最初のハードルは、せり出して来るギミックをどう仕上げるか、です。さらに一番の問題は、下記の図面のように、本来、引こうと思っている位置まで巻藁を引き出すには、巻藁が載っている横板が、棚幅以上に引き出せないといけません。 (突然図面がでてきますが、これはグーグルスケッチアップというソフトで自分で書いたものです。ちなみに私は設計関係は素人です。あしからず。)
大工さんが作ってくれた可動式の棚が、ほぼこの図面のイメージ通りなんですが、板を滑らしてくるだけだと、巻藁がのると重くて滑ってこない、ということと、5cm引き出すのには、引き出した後に支える足を足さないといけません。
土台の足を出したりして、巻藁を出すのが面倒だと練習しなくなるかもしれないので、ここがスムーズであることは重要です。
当初からなんとなく、スライドレールを付けたらいけるんじゃないかなと思っていました。DIYが好きなのでチェストの引き出しを作ったような感じで、一番奥が手前まで自幅全部出てくる3段式スライドレールがあり、それならうまくいくのではないかと思っていました。
このテーブルのスライド棚のように、スライドレールで引き出せる棚を考えていました。
しかし、問題があって、引き出し用のスライドレールでも引き出し幅は自幅までで、通常それ以上に出てくる必要はないのです。途方に暮れていましたが、なんとか 自幅以上に広がるスライドレールを必死に探しました。
なんとか探して・・・・
なんと、ありました!
これはサーバー用のスライドレールなのですが、自幅よりも5cm長くせり出してこれます。なるほど、サーバーの管理だと後ろまで見えるようにしないといけないので、たくさん出幅があるんですね。なんとか、これで解決しそうです。2本で4,690円 ちょっと高いけど、これしかないので買っちゃいました。さすがモノタロウさんですね。なんでも揃いますね。これ以来、モノタロウさんのファンになりました。
巻藁台の加工、スライドレールをつけるには?
さて、巻藁台ですが、もともとは簡単な横板だけでしたが、スライドレールをつけるため、こんな風に作り替える予定にしました。
スライドレールをつけるには、 巻藁を置く横板にスライドレールをつけて、 動かない棚側にスライドレールをつける壁が必要になります。なので、今ついている巻藁をのせる横板を外して、スライドレールをつける分、幅を狭くしてつけ直さないといけません。 そして、棚側に高さ5cmの壁を前後につけます。
スライドレール関連の加工
まず、動かない側のレールをつけるための加工をします。5cmの板を前後につけます。そして、スライドレールをねじ止めします。
結構図面のイメージ通りにレールがつけられました。
スライドレールのネジ穴は、下の写真のように、レールを動かして穴を見える状態にして、ねじ止めします。
動かない側の作業が終わったら、今度は、動く横板の方に前後にスライドレールを着けます。これを着けてスムーズに出し入れが出来るか確認します。
作成当時の写真がなく、今回ブログ用に撮影したので、既に他のパーツがいろいろついていますが、横板の前後にスライドレールの反対側のパーツをつけました。板の状態で、このレールを付けて、元の前後の壁のスライドレールにはめてスムーズに動くように何度も調整します。5cm飛び出しての引き出し具合、板だけの状態ではうまくいったので、なんとかなりそうな予感です。
後方の壁の作成
スライドレール用の板をつける際に、問題点として、棚の後ろ側の防護壁がないことです。このスペースに壁をつけたいのですが、板をただあてて、ビスで止めるでは、きれいに仕上がりません。すこし気が遠くなる作業ですが、下の絵のように、上下にほぞ加工した板を固定して、その間に、ほぞ加工した板を差し込む構造を考えました。かなり以前に作ったもので、今も現役だから、この苦労は無駄ではなかったのですが、とても大変です。
トリマー初心者という事もありましたが、トライ&エラーで頑張りました。凹側にほって上下用の板を作ります。トリマーのほぞ加工用のビットで簡単に作れると思いきや、なかなか難しいものです。きれいにど真ん中に溝をほらないと、凸側のパーツがはまりません。何回も試してみて、微調整して、溝つきの板を作成しました。
実際に使っているトリマーです。ビットはこのタイプのビットで作業しました。
出来上がった凹の形の上下の板はねじ固定します。ねじは下の絵のように穴をあけて固定しました。2枚目は、加工が不要だった前側の固定の写真で、8mmの穴を半分くらいまであけておいて、コースレッドで固定します(8mm穴をある程度あけないと、コースレッドが届かない)。後壁はもう外せなくなっているのでこの過程の写真はありません。
上下につけた後は、防護壁本体の板を、上下凸加工して、はまるように作ります。ゆるくてはだめで、きっちり入らないといけないので、かなりトライ&エラーを繰り返して、しっかりはまるように作ります。なんとか作り上げて、はめればOKのところまで作ります。いったん出来上がったのち、下のパーツがスライドレールが固定されるものなので、先述のスライドレールの固定作業ののち、板をはめ込みました。
かなり時間がかかりましたがなんとか後ろの壁ができました。若干隙間がありますが、素人作業なので充分かなと満足してます。後ろから見ての収まりもかなり良いです。なかなか時間のかかる作業でした。今回この作業でトリマーの使い方をだいぶ覚えました。
後の壁をつける前の写真です。壁がついて、後ろにいけいけで無くなったのがわかるでしょうか。
いったんここまで
移動式巻藁台ができないと、念願の自宅巻き藁場は完成しません。スライドレールをつけてしまいたいけど、後の壁も完成させいないといけないので、間に壁作成の作業が入り、、、。まだまだ、自宅巻藁場完成への道は遠いです。
次回に続きます。
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