巻藁矢に本矧の位置に美しく印を付ける
大晦日ですが、書き溜めていた記事をアップします。今回は巻き藁矢の話です。最近(2018/12)の話です。さて、個人的には巻藁矢には的矢の本矧(モトハギ)と同じところに印がついていないとだめだと思っています。引き尺を把握することはとても重要です。的中、射の成否にかかわってきます。といっても自分は竹矢で竹の巻藁矢をつかっているのであまり関係ありませんが、娘の話です。もともと娘に竹の棒矢を使わせていたのですが、筈が的矢と違い、幅が合わないとクレームが来ました。棒矢であっても竹矢の筈の交換は結構面倒なんですよね。理想的には的矢と同じ筈にしておくのが良いです。ジュラ矢の筈を的矢用に削って付けても良いのですが、その手間はかなりかかります。なので、今回はジュラの巻藁矢を買ってきました。
ちょうど東京出張があったので、神田の小山弓具で買ってきました。ところで、この巻藁矢、本矧(モトハギ)に印がありません。最近では棒矢で本矧の位置で漆っぽく印がついているのがあるのですが、ジュラ(アルミ)では印付きはありませんでした。
2本買いました。1本メインで持ち歩いて、もう1本は家で使える予備用のつもりです。東京から矢筒なしで、アルミ矢2本新幹線で持って帰るって途中曲げていしまわないかひやひやしました。
さて、自分が高校生時代、この辺の加工が好きだったので、よくやりました。さすがに今は自分の竹矢を自分で糸巻しようとはおもいませんが。
使う材料
今回は、1本を糸巻で、もう1本を和紙で仕上げようと思います。自分が高校生時代は和紙の矧はなかったですが、最近はカラフルになりましたね。あきらかに糸より耐久性は低そうですが、まあ学生弓道では矢数が多くて、矢そのものの劣化も早いのでまあ大丈夫でしょう。そもそも巻藁矢だし。
元の矧を外す
まずは、元の矧を外していきます。
つぎに、実際の的矢の矧と同じところに印をつけます。ちなみに竹の棒矢の白い線は、地面から矢の番える高さの位置の印です。私は的中定規を使わないので、巻藁矢に印をつけて番える位置を一定にするようにしています。
和紙バージョンの作成
まずは和紙バージョンから和紙は折り紙ですが模様入りのものを使います。一応娘に模用を選んでもらいました。印の幅に合わせて和紙を切っていきます。
ボンドを使って巻いていきます。3か所とも巻いていきます。
糸巻バージョンの作成
つぎは、糸巻バージョンです。印にそって、まず筈巻を巻きます。 私は最初と最後だけボンドを使います。
そして末矧、本矧を矧いでいきます(巻いていきます)。
つぎに、毛引き(矧ぎ糸の上下に引いてある線)を書きます。毛引きを書かないと、デザイン的に締まらないですね。これは、本当は漆とか、カシュー塗料なんだと思うのですが、アクリル絵の具で代用しました。今回初めて使ったので、結果的には、少しサラサラ過ぎました。もっと粘稠になるまで乾かしてから塗ったりしても良かったかもしれませんが、時間がなかったので、そのまま塗りました。また、筆も「毛引き」というくらいなので、細い筆で書かないといけないのですが、なかったので細めの平筆の細い方で頑張って塗りましたが、少し太くなりました(書いているときの写真が撮れなかったので無いです)。理想的には、和紙と箆の間を斜めに埋めてくれるくらいの粘稠度が良かったのですが、和紙の線が見えちゃってますね。まあ巻藁矢だし、手作りなので勘弁してもらいましょう。続きまして、コーティングをします。
コーティング作業
ジャジャーン(古い)、エナメル塗料です。
これは、高校時代に、透明マニキュア、木工用ボンド、プラモデル塗装用クリアと、このエナメル塗料を実際に自分で作った糸巻に、4種類塗って一番きれいに仕上がったので、それ以来使っています。他はほとんど糸が水に濡れたように変色しますが、この塗料が少しは変色しますが一番キレイでした。ググるとこの時点で、木工用ボンドを何回も塗って、その上でクリアー塗料を塗る様に書いているのが多いですね。私は、その時に木工用ボンドはうまく行かなかったような気がしたんですが、次の機会がもういちどあれば、木工用ボンドの下塗りを試してみたいと思います。
今度は逆に、大きな平筆があれば塗りやすいのですが、毛引きでつかった細めの平筆なのでちょっと均一には塗れずでした。結構厚みが出るくらいまで塗ります。
コーティングはしっかりしたいので、翌日もう一度エナメル塗料を塗りました。
完成!
昔作ったギリ粉入れ
完成です。結構きれいに仕上がりました。
真ん中の黒い線は、地面から筈の高さの位置の印です。
高校、大学とこういうことを結構してきたんですが、今思うと社会人弓道家になったら、弓具店に行って、どんな糸やどんな塗料使っているか普通に聞けば良いですよね。個人的には毛引きの塗料と、クリアー塗料の種類が知りたいです。オーダーできる匠の矢とか仕上がりかなりきれいですもんね。もしよろしければ、ご存知の方、教えてください。
ちなみに、こちらは、大学時代に作った巻藁矢を切って作ったギリ粉入れです。筈を緩めに止めていて外せるようになっています。
模様のところは多色の糸を使ってグラデーションにしています。この2色の糸を使った細工も好きで、今回の糸巻バージョンに入れてみようと思ったのですが、買った糸が思ったより細くて今回はうまくいきませんでした。難しいですね。
このギリ粉入れは、この細工の作品を残しておきたくて作ったものだったので、実際には持ち歩いてはほとんど使っていなかったのですが、20年たってもこのツヤはエナメル塗料の威力はすごいですね。
さらに改良を加えて、再度作成しました。
さらに、コーティング剤を工夫して、1年後あらたに巻きなおしたのがこちらです。
エナメル塗料から、ウレタン塗料に変更してみました。矢絣模様やプチデコレーションにも挑戦しています。もしよければこちらもご覧ください。
詳しくはこちらに
【弓道】巻藁矢のDIY、矧糸のコーティングは何が良いか
【弓道】巻藁矢に本矧の位置に美しく印を付ける その2、矢絣模様の矧ぎ方、プチデコレーション(巻藁矢のDIY)
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