2012年に家を建てたのですが、その時に、「家の中で巻藁が引けるようにしたい」というのが目標でした。そこから、設計をいろいろ考えて、玄関に自宅巻藁場を作りました。今回は巻藁場にまつわる話の第5弾です。
関連記事はこちら
自宅巻藁場物語① 設計編
自宅巻藁場物語② DIY編
自宅巻藁場物語③ ついに完成
自宅巻藁場物語④ 巻藁台の扉編
自宅巻藁場物語⑤ 弓置き場の扉編
自宅巻藁場物語⑥ 巻藁に的の写真を貼り付ける
自宅巻藁場物語⑦ 弓座を取り付ける
自宅巻藁場物語⑧弓立て、弦かけ、弦ひっかけ棒
自宅巻藁場物語⑨ 弓の強さを量る機械の取り付け
弓を置く場所も考えたい
さて、自宅巻藁場ができましたが、意外に家の中で弓を置いておく所は定まらないものです。家を建てる前は引っ越し族だったので、弓の置き場に結構困っていました。そこで、設計段階で、巻藁場に近いところで弓を置ける場所を考えました。玄関から家の内側はすぐにダイニングになるので、家の中に設定すると結構巻藁場から離れてしまいます。そこで、玄関内に置けるところを考えました。
上から見た図ですが、土間収納や東側(図面下側)の壁はすべて収納です。なので、ここに弓置き場を考えました。コートクローゼットのところが一番良いではないか、という意見は無しで。普段の生活の方が重要です。
これは東側収納を考えた図面です。一番右側に弓収納を考え、縦に長いスペースを作ってもらうようにお願いしました。普段の生活があるので、手前側は日常に使うものを優先します。なんでもかんでも弓優先にしては家族関係がうまくいきませんので、注意が必要です。
実際に家が建つと
上の図面を渡していて家を建ててもらったのですが、ここも若干うまく伝わっていない部分があって、イメージとちょっと違いました。
左側の奥を見てもらいたいのですが、可動式棚が奥の壁へ目いっぱいに作られています。縦に弓をおけるスペースが作られていないのです。普通はこれで妥協するのかもしれませんが、弓を置く場所をあらたに想定するのは結構大変なので、申し訳ないですが、作り変えてもらいました。
弓収納の場所は確保できました
で、作り変えてもらってこうなりました。可動式棚のレールを外してもらったので、そこの塗り壁を塗りなおしてもらって、修復痕が見えます。まあ目につかないところですし、弓収納の方が大事です。
さて、ただ、この空間は土間収納なので、弓を弓巻に巻いていたとしても、ちょっとそのままでは、具合が悪いです。なので、ここに扉をつけることを考えました。
さて、これは、巻藁場の写真ですが、右側にコートクローゼットの大きな扉があるのがわかると思います。こんな扉をつけたいと思いました。実は、コートクローゼットのドアは、既製品のドアを使われると思っていたのですが、完全な造作家具(造り付け家具)でした。ありがとうございます。これも予算内でしてくれて、ありがたいことです。
弓収納の扉は、幅が未定だったので、既製品も探していたのですが、自分で作らないといけないなあと思っていました。ただ、コートクローゼットの扉が造作と知っていたら、頼めば良かった、、、とちょっと後悔です。でもDIY好きなので、問題なしです。
弓収納の扉を作る、構想編
今回は製作途中の写真がまったくないのですが、まず、弓収納の扉の大きさですが、高さが約220cm、横が約38cmです。このサイズで扉を作ります。
いつも、ホームセンターで、4000円くらいの、厚さ18mmの90cm×180cmのラジアタパインの集成材の一枚板を買って、それを切ってDIYをするのが常なのです。長い規格の集成材は、ちょっと値段が高くなるので、220を取る板を直接買うのではなく、今回は、180cmの板に継ぎ足しをして扉をつくることを考えました。
当時、書いていた図面です。右半分は巻藁台関係のメモです。継ぎ足しは、巻藁台後ろの壁とおなじ凸凹加工をしようと思っていました。
実際に扉を作る、軽量化編
無垢の集成材で、扉を作るのですが、ここで問題発生です。さすがにこのサイズになると、重い。蝶番が耐えられないのではないかと考えました。そこで、板を中空にして軽量化を図りたいと考えました。1枚の板から作るのではなく、枠組みを張って突き板の合板を貼ったりしても良いのですが、やっぱり無垢の感じを大事にしたいので、そこはこだわりたいところです。
ですが、大変でした…
実際の扉の写真です。製作途中の写真が無いですが、できあがりはかなりきれいでいい感じです。
内面の下の方のアップの画面です。板を削ってあるのがわかるでしょうか。板全体をトリマーで、ひたすら削って軽量化したのです。言うはやすし、行うは難しで、まあ、大変でした。トリマーも初心者だったのでなめてました。トリマーは電動工具の中でも結構力がいるし、強力に削っていくので、作業が結構怖いです。そして何より、丸鋸なんかと違って、木屑の量が半端ないのです。この量の木を削ると、相当な木屑が出ます。でも、やり始めたら後戻りはできません。なので、ひたすら削り続けました。
同じ写真ですが、かなりの部分削っているのがわかるでしょうか。でも、がんばったおかげで、かなり軽い扉になりました。
板を継ぎ足す加工
さて、初期の構想にあった、板を継ぎ足して伸ばす作業が必要です。
実際のつなぎ目の写真です。上下のトリマーの削り作業をした後、くっつけました。表側からビスが見えるようにしたくなかったので、ほぞ加工で、裏側のみビス止めしました。さらにそのビス穴を、ダボで隠しています。
ほぞ加工の写真です。この加工は巻藁場のDIYでもしているので、今回は前回ほどは時間がかからずできました。
ウッドワン(WOODONE)風の取っ手にしたい
さて、弓収納より玄関側にある玄関収納は、ウッドワンの無垢の玄関収納です。目につかないところだから、無垢でない普通のシリーズでも良かったのですが、いろいろ相談した結果、ここも無垢の方の玄関収納になりました。
と、なると、やっぱり、弓収納のドアもウッドワン風に仕上がって欲しいところです。
ウッドワンの無垢の家具は、取っ手がこんな形状をしています。できればこういう加工をしたいところです。過去にこんなWOODONE(ウッドワン)風チェストも作っています。
ただ、チェストを作った感覚からすると、この取っ手加工はかなり面倒なのと220cmその加工をするのは大変であること、また、自分が使っている板の厚みが、18mmで、ウッドワンの扉の厚みは22mmくらいで、この4mmの差が、指の入りにすごく影響します。
なので、完全にこれと一緒の加工は無理なので、反対側にRにけずって、指が入るようにして取っ手加工をします。
とびらの取っ手加工です。
今回はこの形状のビットを使っています。
スライド蝶番を取り付ける
さて、巻藁台の扉で出ててきたスライド蝶番ですが、今回は普通の用途です。
ただ、取り付け側が壁なので、「インセット」タイプのスライド蝶番を使います。このインセットタイプのスライド蝶番なら、向こう側が壁であっても扉が付けられます。本当に便利な道具です。
扉側にスライド蝶番をつけていきます。
穴をあける位置は、決まっているので、インセットタイプに合うように穴をあけてネジ止めするだけです。
壁の方にもスライド蝶番を固定していきます。
いい感じについています。
幅木との干渉部分の加工
実際につけてみると、 幅木と扉が干渉しています。なので、ここを干渉しないように加工します。
装着して、完成!
実際に、できた扉を装着します。
いい感じで、開け閉めができます。
取っ手もうまく指がかかって、開けやすい形状になっています。
周りとウッドワンの家具との雰囲気も合って、いい感じに仕上がりました。
弓を置いてみる
実際に弓を置いてみました。弓があたるところは滑り止めシートで保護しています。まあ実際は弓巻に巻いてしまうことになりますが、一時置きのときでもシートを張っているとクッション性もあって良いです。ちなみに、伸び弓だと、上がはみ出ていますが。これも想定の範囲内です。上を空洞にしていて、うまくいきました。
さらに、上部に弓置きも
さて、使わない弓もあったりします。また、弓は使わないときは横で保存する方が良いと言われます。なので、横置きできる弓のスペースも確保しました。
玄関の靴収納の上に、可動式の棚を接地して、弓が置けるようにしました。これで、使っていない弓はこちらに保存できます。靴収納の上に滑り止めシートをしいていて、ここには使っていない矢筒を置く設定です。
着々と巻藁場が充実してきました
弓を置けるようになりましたので、巻藁場も充実してきました。もう少し、巻藁場の工夫があるので、続編をまた書いていこうと思います。長文お付き合いありがとうございました。
関連記事はこちら
自宅巻藁場物語① 設計編
自宅巻藁場物語② DIY編
自宅巻藁場物語③ ついに完成
自宅巻藁場物語④ 巻藁台の扉編
自宅巻藁場物語⑤ 弓置き場の扉編
自宅巻藁場物語⑥ 巻藁に的の写真を貼り付ける
自宅巻藁場物語⑦ 弓座を取り付ける
自宅巻藁場物語⑧弓立て、弦かけ、弦ひっかけ棒
自宅巻藁場物語⑨ 弓の強さを量る機械の取り付け
コメントを残す