防水ファスナー弓袋の自作、滑り止め付き

ファスナー弓袋の自作、作ろうと思ったきっかけ

弓関連のものを自作するようになった最初が、この弓袋かもしれません。
2008年の作品なので、もう10年以上使っていることになります。

当時、ファスナータイプの弓袋が出始めた頃でした。このタイプのを
弓袋と呼ぶか弓巻と呼ぶか知らないのですのが、 今回は弓袋としておきます。ファスナータイプは、個人的にはあまりにもキルト素材が目立ち、かさばりそうで気に入らなかったのですが、 簡便さと、特に張った状態での持ち運びに有利そうで、ずっと気にしていました。ただ、かなり雨には弱そうな印象でした。
これで防水なら 買うのになあ 、と思っていました。

当時毘沙という防水で張ったまま持ち運べるという弓袋が出始めた頃でしたが先日書いたように 、私の弓は一度外すと形が変わるので、弓袋をはずすために一度弦を外すこの弓袋は、用途に合いません。弦を外す過程があるなら張ったまま運べる魅力は半減するなあと思っていました。

もともとDIY好きなので、ずっと構想は暖めていました。防水の生地や、ファスナーやキルト生地など、検索していました。

作ることになったきっかけ、生地を購入、ファスナーがなかなか無い。

そして、弓袋を自作するきっかけになったのが生地の購入でした。ある生地屋さんで、メーカーからの払い下げ、ということで、防水生地がかなり安く販売されました。なんと幅が1m40cm程で1m100円。 4m買っても送料合わせて800円でした。思わず購入しました。今思うと、 もっと買っておけば良かったと、後悔しています。

次に探したのが、長尺オープンファスナーでした。これが、意外にないのです。今でこそ楽天で買えますが、当時は店舗独自のネットショップしか見つからず、苦労しました。 そして一本700円くらいします。生地より断然高い。でも、そのお店は親切で200cmの長さを希望の長さに切ってくれました。
ちなみに 布団カバー用などのオープンではないファスナーは長尺でも普通に買えました。

あと、キルト生地を探して購入しました。ちなみにキルト生地は 途中で繋ぎ目があっても良いと思ってそんなに長尺ではなかったと思います。片方がチェック模様で反対が無地の青のものにしました。

ファスナー弓袋の作成

もう 10年前のものなので作成当時の写真はないのですが、結構大変でした。妻は まあまあ手芸をするのですが、 私は手先は器用でも、手芸は素人で、かなり我流でやりました。まあ、家にミシンとロックミシンがあったのは妻のおかげです。

作り方 まずキルト生地にファスナーを縫い付け

試作品のつもりで作り始めたのもあるんですが、まず、キルト生地で本体を作りました。防水生地は最後に上から縫い付ける予定にしました。ファスナーが 弓にあたると嫌なので、片方は 布の端にファスナーをつけ、もう片方は弓に 当たらないように端より内側につけます。その幅を 考えてキルト生地を切ります。そして弓にあたる側の端にバイアステープを縫い付けます。 ファスナーが 露出している側はロックミシンで処理しているのでそのままにしています。ロックミシンで処理しているので、バイアステープは省略できるのですが、見た目ですね。

  

そして、ファスナーを縫います。

ここで、ミシンに詳しくないとわからないのですが、片押さえという押さえを使います。最初は片押さえが無い状態で縫っていたので大変でした。片押さえは実家にあったので 以降は楽になりました。

で、ファスナーの閉じ具合を確認して、いけそうなのがわかりました。表側は防水生地を縫うつもりなので多少汚くても気にしませんでした。

末弭側の処理

次に末弭側の処理です。
一番面倒なのがここです。

普通、 袋状になるものは表側がきれいになるように裏表で縫ってひっくり返します。 なので、 末弭側はキルトを長めに残して おきました。そこに防水生地を重ねて裏表に縫います。問題はファスナー部分との境目で、 せっかく防水生地があるので、そこは繋ぎ目は上側の生地と下側の生地が少し重なるようにして雨を防ぎたいと考えました。

なので、一旦 防水生地のファスナー部分との境目に当たるところを端を折り返して縫って処理しておきます。その上で裏表に縫いました。

防水生地の縫い付け

末弭側の処理が終われば、全体に防水生地を縫い付けます。ここもファスナーを、閉めたら多少重なる用に少し広めに生地を切り、端を処理しておきました。防水生地はきっちり折れないので、一番端も 1mm縫っています。滑り止めについては後で解説します。

 

本弭側の処理

本弭側は袋状にしなくて良いので、縫っていくだけですが、伸弓でも並弓でも良い長さにしておきます。

そして巻き付ける紐をつけておきます。 伸縮性のあるものにしてマジックテープをつけておきました。伸縮性のある素材を使うことで留めやすくなります。また、本弭側もファスナーが終わるところは防水生地が重なるようにしています。

ということで一旦完成。この1張用は2個作っています。どちらも手探りでつくったので、完成形は結構違っています。

仕事が忙しいので、弓巻より短時間で収納できるこの弓袋は大変重宝してます。完全防水ではなくても多少の雨は全然問題ないです。

大変だった二張用の作成

元々市販のファスナータイプの弓袋は、結構余裕を持って作ってあってブカブカです。それも格好悪くて気に入らなかったので、自作のはオーダーメイドですし弓にぴったりに作るというのが目標でした。特に市販の 二張用がブカブカに感じました。
二張用も大きさに合わせて作りたいと思っていました。

さて、二張用なんですが、 ぴったりに作りすぎて、握りの部分が入らないという事態になりました。ファスナーを縫い付けてから、試しにはめてみて、入らないことに気づきました。結構ファスナーを縫うのは大変だし、キルト生地をまた一から切るのも大変です。やり直しはしたくないです。

  

そこで思いきって、 真ん中を切って、そこに布を足して対応することにしました。握りのあたりが幅広になるぼうすい形の弓袋になりました。

市販のがブカブカに見えるのは、長方形で作ると上下が余るんですね。二張用は特にそれが顕著になります。 かといって最初からぼうすい形にするには手間がかかります。そもそも最初からぼうすい形だと、ファスナーはうまく縫えるのか?という疑問が残ります (多分縫えると思いますがまっすぐの方がたぶん断然楽)。私のは結果オーライなんですが、立体成型みたいな仕上がりになりました。

キルトの状態を仕上げたあと、最後は紡錘形の防水生地を縫いました。立体的な幅広かもしれませんがそのまま縫えました。

  

この写真の下の方が2張用です。すこし真ん中がふくらんでいるのがわかるでしょうか。

あと、 末弭側の 被せる袋状のところもきつくて作り直しています。なのでよく見るとつぎはぎだらけです。

こちらは 二張 運ぶのには重宝しました。ただし、行きは良いのですが帰りは 弦を外すので、反りが違うので、 一張は普通の弓巻きに巻いて持って帰ることになります。あと、片方に弓巻きを巻くか、ファスナータイプの内袋が無い(まだ作ってませんが)と弓と弓が直接あたります。 練習時に車移動限定で使っている感じですね。あと、もちろん一張だけ入れて使うのは問題ありません。

 

実は、師範は皮製の外した状態の弓を二張入れられる ファスナータイプの弓袋を持っておられました。特性で作ってもらったと言ってました。 しかも、それに入れられるように弓の裏反りを調整して揃えたとおっしゃってました。当時学生でその意味を分かっていなかったんですが、そこまで調整できる弓の調整能力は、すごいと思いました。自分にはまだまだです。

ちなみにその弓袋はオープンファスナーではなかったので、張った状態では入れられ無さそうでした。 その頃は長尺オープンファスナーはなかったのではないかと推察します。

ツルツル滑るので、滑り止め

さて、念願の防水弓袋ができたので 、使っていたのですが結構な問題が発生しました。防水生地は滑るのです。

県内は良いのですが、電車で遠くに行くときに、 車内などで滑るのはとても具合が悪かったです。

そこで 底面に滑り止めシートを縫い付けました。この加工はなかなかよかったです。

さらに工夫して滑り止めを壁に当たる2カ所に

さらに駅などで困るのが立て掛けた弓が倒れること。皆さんも経験あると思います。
そこで立て掛けた 時に当たるところにも滑り止めシートを張っています。
ここでさらに一工夫。

弦を張った状態で当たるところと、 弦を外した状態で当たるところが違うので、2ヶ所に滑り止めを縫い付けています。

 

こちらは、弓を外した状態のときですが、末弭に近い方の滑り止めシートが壁にあたって、倒れるのを防いでくれます。

こちらが弓を張った状態での壁にあたる位置です。

この工夫をすると、駅などで立てかけていても、かなり倒れにくいです。これをつけて、とても便利になりました。

滑り止めシート縫い付けの工程の写真

滑り止め シートが劣化したので張り直した時の写真 はあったので(それでも2年前)その工程をアップします。

こんな感じの道具です。滑り止めシートを1か所外していますが、劣化しているのがわかります。

滑り止めシートにバイアステープを縫っていきます。

必要な数だけ作ります。

ミシンで縫いつけていきます。

 

他の場所にも縫い付けていって完成です。

まとめ

10年経ってもヘビーに使ってます。1張用が2個、2張用が1個で計3個、防水生地はそれでも余ってました。2張用は今は実質1張用として使うことが多いですが、タイトにつくったので、1張でもブカブカ感はありません。 ちなみに、 残念ながら防水機能はもう無くなっていて、昨年防水スプレーをかけました。

将来の夢は、有名な防水透湿素材のゴアテックスかエトラントで作ってみたいと思っているのですか、高いですね。あと、内袋の防水かつファスナー タイプの構想もあってその材料は先日近くの手芸店の移転前閉店セールで買いました。さらに、師範を真似て皮製も良いかなと思って、 たまたま楽天で安く売っていた人工皮革の生地を買ってます。

ただ、この手の作品はメチャクチャ時間がかかるので、次に作るのはいつになるかわかりません。
長文お付き合いありがとうございました。

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