【弓道】高さの違う欅の弓座と円形の花梨の弓座

木材も購入し、弓座の形も決まったので、弓座を作成しました。やや長文ですが、よろしければお付き合いください。

2種類の弓座を製作する

 弓座の形状も決まったので(【弓道】弓座の形はどの形状が良いか、いろいろ試作してみる)、実際に弓座を作っていきます。
今回は2種類の弓座を作成します。
 1つは、欅(ケヤキ)の弓座で、長さ50cmの弓座で、20cmの間隔で3カ所に弓座をつくります。身長の違う人でも、張りやすいことを考えています。全日本弓道連盟中央道場の2階の控えに、縦に高さの違う弓座が装備されていて、そこからヒントを得ました。
 2つ目は、花梨(カリン)の弓座で、ヤフオクで堅木を探した際に、円型の赤身と白太のコントラストが美しい花梨の木材をゲットした(【弓道】講習会の振り返り、弓座用の木材を探して購入、無事届く)ので、それを弓座に仕上げます。
 

実際の作成 欅の木材に寸法を記入

 欅の木材ですが、最終的に幅8cmくらいになるのですが、トリマー作業を先にするため、左側を幅を長めにとって、作業後に切断します。そのために線を引いておきます。
 
 
 また、3カ所に穴を彫るため、その位置を決めておきます。
 
 
穴を開ける位置を中心にして、トリマーの端が来る位置を決めておくと、そこに斜めの木材の端を合わせれば、穴が掘れることになります。
 
 

実際に半球形の弓座を彫る

 サイドにトリマーのガイドの板をあてておき、手前に斜めの木材を配置、それぞれをしっかりクランプで固定します。これが甘いとうまく仕上がりません。
 
 
 
19mmの丸溝ビットで、13mmの深さに設定しています。斜めの木材は、45度より少し緩やかなものを選びました。
トリマーの電源をいれて、彫っていきます。
しっかり押さえないと、ブレて失敗します。
 
 
 
欅はかなり木目が緻密なので木屑がスゴく出ます。ただ、木目が細かいので、SPF材で予行練習したときよりも素直に削れてくれる印象です。
いつも、SPF材やパイン材でDIYをしているので、欅を工具で切削するとそれらとは違った独特のにおいがします。どこか和風な感じの良いにおいがします。
 
さて、1か所目が彫れました
 
 
次に真ん中の弓座を彫って
 
 
一番下のところは、木材がなくなるので、余っている木材を後ろにたして作業をします。もともとヤフオクで買った時は85cmだったので、のこりの35cmはこういう風に使えると思って切断してもらっていました。
 
 
こちらも無事彫れました
 
 

花梨も彫る

今度は円型の花梨の方を削っていきます。
花梨は、欅以上に目が細かい印象です。かなり固いですが、切削は素直にいきます。木屑がめっちゃ出ます。

花梨はかなりお香的な良い香りがします。
 
 
作業は、1回では素直にいかず、木屑を払いながら、何回も少しずつ削っていく感じです。焦りは禁物です。
こちらは、3つ木材があったので、3つとも彫っていきます。
ということで、この日は暗くなったので、弓座の穴あけ作業のみで概ね終わり、残りは欅の幅をそろえる切断をするだけにしようと思いました。
 

欅を完成形の幅になるよう縦に切っていく…しかし、

 
丸鋸作業ですので、直線に切るだけなので、簡単な作業です。
欅なので、普段のパイン材とは違い、なかなか硬く、切りごたえがあります。
 
 
といっても、切るだけなので切り落とすと…
 
 
なんと、切ったら、赤茶色の節がでてきました… _| ̄|○
 
 
二度見しています。
 
 
これは、死節というらしいですね。枯れた節が中に閉じ込められると発生するようです。
さて、困りました。これは、目立ちます。面取りしてキレイに仕上げるつもりだったので、かなりショックです。
 
 
いろいろ考えて、座ぐりドリルで、穴を開けて埋めることにしました。
 
 
この日は、ここまでの作業でした。
 

死節の処理

 
翌朝、この死節の処理をどうするか考えました。
前夜ググって、死節の処理の仕方をしらべました。
穴をあけて、節駒というのを作って埋めると良いようです。
 

節駒の作成

 
 
で、反対側の木材を座ぐりドリルで開けた穴の幅よりやや厚めに木材を切って、節駒を作ることにしました。
これ、切っていると、幸いなことに、別の場所に、生節が出てきました。
 
 
これを節駒に使います。
 
今度は糸鋸作業です。
 
 
糸鋸盤を使って、円型に切っていきます。
これを寸分たがわぬように作れば良かったのですが、やや隙間ができてしまいました。これはあとで、埋めることにします。
 

節駒を接着します。

節駒を木工用ボンドで固定、トリマー作業側の上面側にピッタリ来るように押し当てます。
 
 
爪楊枝を楔のように打って、上面側に圧着するようにしました・
 

節駒を端に合わせて切断

 
 
 
さて、くっついた節駒を丸鋸で、端に合わせて切っていきます。木材自体を1mmくらい切断する感じで切るとキレイな断面になります。
 
 
良い感じです。
 

トリマー作業で焦げた部分を削る

ようやく、本来の木材作業に移れます。
3カ所の弓座ですが、トリマー作業で、高温のため一部焦げています。
これを、ルーターで削っていきます。
 
 
 
 
ルーターのビットは、ロールサンダーを使っています。
ルーターとビットはそれぞれこちら
 
 
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面取りもしていきます。トリマー作業で少し失敗したところもスムーズにしていきます。
 
 
後は、紙やすりをかけます。
 
 
花梨の方もルーターで削っておきます。
 
 

欅の木材の端をトリマーで美しく面取りします

さて、トリマー作業の真骨頂の面取り作業です。
 
 

長辺から面取りします。

 
 
この作業のとき忘れていましたが、基本トリマーは前に進まないといけないので、引き作業はしません。本来は、ここは本番の木材の後ろに同じ高さの捨て木材を置いて、それと一緒に手前から前に押して削るのが正解ですね。引き作業は難しいですが、一応できました。そのせいで焦げた場所が多くなりましたね。そこは失敗でした。
 
集塵機を付けていますが、面取り作業のときには集塵機はかなり便利です。この集塵機も自作なのですが、これは別記事でまた紹介します。(木工には集塵機があるととっても便利 サイクロン集塵機のDIY
 

短辺も面取り

 
 
 
短辺も面取りしていきます。
同様にこちらも手前に捨て木材を使うべきでしたが、まあ結果オーライです。
 
四辺の面取りが終了しました。
 
 

サンダーをかける

焦げた部分と、次にニス塗り作業が控えているので、サンダーをかけます。
私のは古い機種ですが、この手のサンダーがあると木工はかなり楽です。
サンダーでも落とせなかった焦げた部分はルーターで削りました。
 
 
 
花梨もサンダーをかけます。
 
 
 

節駒の隙間埋め

さて、最後のニス塗りの前に、節駒の隙間を埋めます。
 
 
欅の木材を丸鋸で切って、集塵機で欅の木屑を集めました。良い香りがします。
 
 
これを、木工用ボンドに混ぜて、自作のパテを作ります。
 
刻苧(こくそ)、というそうですね。
 
 
粘稠度を整えて、隙間に埋めていきます。
パテは大抵肉やせするので、すこし盛り上がるように塗って、あとで整えます。
 
 
乾くとやや色が濃くなります。ググったところでは、木工用ボンドでは黒くなることが多いとのことでした、まあ許容範囲です。これを良く使っているダボ切用のアサリのないノコギリで削ります。
 
 
 
最後に、ルーターのロールサンダーで削って整えます。ショックだった死節作業もこれで終わりです。
 
 

ニス塗りをします

ニス塗りは、過去記事2回出てきますが、
 
今回は本来の木工のニス塗りです。ちなみに、欅は目がとても細かいので、やすりで削ってニスで仕上げると、とても肌触り良く仕上がります。花梨もかなりキレイに仕上がりそうな予感がします。
 
水性ウレタンニスのつや消しクリヤーを使いました。
 
 
 
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1回目のニス塗り

まずはニスを塗っていきます。
 
 
 
1回目は、ニスが木に染み込む感じですね。
 
 

サンダーがけ

ニス塗りは、塗って、やすりがけの繰り返しです。繰り返した方がキレイに仕上がるので、がんばります。
昔鉛筆立てを作ったときは、1回目のニス塗り後はかなりザラザラしていたのですが、今回は、ニス塗り前のサンダーがけも気合が入っていたので、1回目からかなりスベスベです。
細かいところは紙やすりを使っています。
 
 

2回目のニス塗り

型通りに2回目を塗ります。
 
 

サンダーがけ

また、サンダーをかけます。
 
 

3回目のニス塗り

3回目になると、ニスは木に染み込む感じではなく、はじき出します。
 
 

サンダーがけ

これくらいからかなり良い感じになっています。
 
 
最後のはサンダーかけ後に水拭きしたものです。仕上がってきています。
 

4回目のニス塗り

仕上げのニス塗りです。
 
 

ニス塗りが仕上がりました。

良い感じに仕上がりました。
 
 
 
 

固定をするためのネジ穴とダボ穴をあける

 
このままでかなりきれいなのですが、ネジで壁に固定すると、ネジがむき出しになってしまいます。
これでは格好が悪いので、ダボ穴をあけて、そこにネジを打ち込んで、最後ダボでネジを隠します。
 

ダボ穴を開けます

ダボ穴は8mmのドリルで約1cm開ける事にしました。
 
 
通常もう少し深くても良いのですが、堅木でダボを作るのが大変なのと、将来この弓座を外すときに、ある程度ダボが外せる深さでないといけないので、1cmにしました。ドリルにマスキングテープを張って、深さの目印にします。
実際に開けていきますが、とても硬いです。結構気合がいります。
 
 
欅もダボ穴とネジ穴を開けます。
 
 

ネジ穴も開けます

ネジ穴も開けておきますが、ネジ穴開けるのも硬いです。煙がでてました。

ダボを作ります

木ダボドリルというのがあって、ダボを作ります。埋木錐でも検索できます。
ただ、欅と花梨でダボをつくるのは若干無謀でした。
 
 
かなり固いです。この時も煙が出ていました。
 
欅のダボづくり
 
 
花梨のダボづくり
 
 
このとき、赤身と白太の両方の場所でダボを作っています。
 
 
 
 
 

実際の取り付け

実際に道場に取り付けました。

欅バージョン

ダボもきれいにネジを隠しています。
節を埋めたのも目立ちません。
真ん中が、交換前の弓座の高さに合わせています。
身長に合う位置の高さの弓座を使っていただければ幸いです。
 
 

花梨バージョン

花梨バージョンです。
赤身と白太のダボも良い感じにできています。
元の弓座のネジ穴がみえてしまっていますが…
 
 
以上、高さの違う欅の弓座と円形の花梨の弓座の作成でした。
 
 
やや凝りすぎた感がありますが、単なる趣味なので、お許しください。
今後長く使っていただけると嬉しいです。
 

動画も作成しました

製作の動画を作成しました。
もしよろしければご覧ください。
 
 
 

今回学んだこと

・丸溝で弓座が作れる
・トリマーのビットは6mmと6.35mmの軸があってコレットチャックの交換で両方使える
・死節は節駒で埋めれる
・コクソで隙間を埋めれる
・糸鋸盤を、作業台にクランプで固定して使える
・面取りは、前に進んで削れるように後ろに捨て木材を置く(してないけど)
・木ダボドリル、堅木には向いていないが使えることは使える
・ルーターのロールサンダーが結構使える
 
また、この辺りのことを、時間があれば記事にしていきます。
 
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